『リンカーンハイウェイ大陸横断』8/9

朝のミーティングで各ポイントやルート確認、ガソリンを満タンにして出発。 本日も、終日フリー走行、各自思いおもいに走ります。  

ネバタ州に入ると、熱く乾いた荒野が広がり赤茶けた原野の1本道が続きます。 途中「ポニーエクスプレス」のルートを横切ります。 「ポニーエクスプレス」(1860’ 4月~1861’ 11月)とは、ミズーリ州セントジョセフからカリフォルニアのサクラメントを結ぶ2000マイルの速達郵便制度のことで、現在のように車が無かった時代、騎手が10~12マイル(馬が全速で走れる限界距離)ごとに交代の馬を配置し 交換リレー方式で郵便や情報を伝達しました。
荒野の向こうへ続く、西部開拓時代の足跡に立つと、力強く地面を蹴る蹄の音と騎手の掛け声、荒い馬の息づかいが聞こえてくるようです。 


途中、イーリー、 ユーリカなど荒野点在する小さな町を通過します。  1800年中頃に銀や鉛鉱石などの発見で栄えたそれらの町は、銀行取引相場の変化に伴い鉱山は閉鎖され、現在はゴーストタウンのようです。 当時の反映を思わせる美しいオペラハウスやアートデコ調のホテルなどが歴史遺産として保存されています。 


ロンリーエストハイウェイ50号線。 ネバタ州を横切るハイウェイ50号線は「孤独な道」と呼ばれています。

1987’頃、ライフマガジン社が、この道は興味あるものは一つもなく、広大なデザートに続く道は危険で サバイバルスキルのないものは運転を控えるように警告しました。 (当時は)すれ違う車もほとんどなく、ガソリンスタンドやサービスエリアなども皆無。 万が一、パンクやオーバーヒートなど車の故障や、緊急事態となれば、命に関わる大ピンチです。 


そこで、イーリーの商工会議所は、その否定的な記事へ対抗するため、50号線を「アメリカで最も孤独な道路」とし、公式:サバイバルガイドを発行しました。 それは50号線沿いの、美術館、銀行、ガソリンスタンドレストランなどの観光ポイントが記載された小雑誌で、ファロン、イーリー、ユーリカ、ファーンソー、オースティンの 観光局などで無料で入手できます。

 *フリーメイソンビルの前で1枚。
 
その小雑誌に記載されているネバタ州50号線沿いの小さな町々を訪問し、証となるスタンプを集めて、その観光局へ送ると「ロンリーエストハイウェイ50号線」のオリジナルピンバッジと、サバイバル証明書が(日本へも)送られてきます。  



最近は、ルート66号線を走りきった、旅行者達が、このリンカーンハイウェイを観光するようになり、当時と比べ多くの車が走っています。とはいえ、かなり少ないです。

でも、こうした、荒野の一本道に 一人きり . . . . . . 本当に静かで . . 耳をかすめる風の音しかしない状況は現代の我々には、非日常な異次元です。
 


アクセルを開いても、一向に変わらない荒野の中、のんびりと「無」になって走る時間は自分自身を見つめる . . . . とでも表現したらいいのでしょうか、貴重なひとときとなりました。


今日の宿、レノの町が近ずくにつれ、なにやら嫌な荒れた風が吹きはじめました。 空も暗くなり、宿まで、あと20分。と言うところで カッパを着る暇もないくらいに一気に土砂降りに見舞われすぶ濡れです。 


ホテル到着後、今夜は「なんちゃって」ジャパニーズレストランで食事会。 半分は鉄板焼、半分は スシ・バーで乾杯。

アメリカの鉄板焼は「HIBACHI STAKE HOUSE」と言われていて1960年代レスリング選手として活躍したロッキー青木氏が、単身渡米してアイスクリーム屋から始まり、ざまざまな苦労を経てニューヨークに「紅花」鉄板焼レストランを開業。

その後、鉄板焼レストランの人気が全米に広がり、ジャパニーズステーキハウスの定番となりました。 シェフが目の前で、ステーキやシーフードをクックしながら、アクロバティックなクッキングショーと焼きたて料理が楽しめます。


その昔は、忍者のように クッキングナイフを器用に操り、早切りや、手のひらでぐるぐる回して ナイフケースに”シャキン”と収める技などで、お客さんを驚かせていましたが、ある日、そのナイフが間違って目の前のお客さんへ飛んでいき”グッサリ”と言う事故以来、ナイフのアクロバット技は禁止されました。 

『リンカーンハイウェイ大陸横断』 9 へ続く 



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