『ルート66の旅』 14 / 15

- - - - - - -   セリグマン    - - - - - - -

セリグマンには、ルート66保存協会の会長さん”エンジェル”おじさんの床屋さんがあります。 エンジェルおじさんは、今年92歳。 


早朝、自転車で出勤して、すぐに帰宅。 後は、おうちでお休みしたり、事前に予約があれば髭剃りや、ヘアカットをしてくれます。 数年前までは、ヘアカットと髭剃りで、、確か、、$15くらいでしたが、この有名な エンジェルおじさんのサービスを受けに世界中からお客さんが来るので、現在のお値段は$45、、😅。

また、1ブロック東の角にあるアイスクリーム屋さん「スノーキャップ」も見逃せません。
1953年に Juan Delgadillo (1916年5月17日〜2004年6月2日)さんが、このレストランを始めるにあたって、あまり資本金がありませんでした。


 そこで、近くのサンタフェ鉄道からの廃材を手に入れることに、、。 そうしてレストランを建てることができたそうです。 ここの家族は、なんて言ったって「いたずら大好き」😆。 



外の看板には「死んだ鳥あります」「ごめんなさい!開店しています」などなど、、、訪問するお客さんへはヘンテコな形のアイスクリームを作ったり、色々ないたずらを仕掛けて、皆で大笑い! 現在は息子さんのジョンが引き継いでいますが、ユニークないたずらも、引き継がれています。



セリグマンの町には歴史あるモーテル”ルート66モーテル”有名です。 アメリカのモーテルといえば、自分のオートバイや車を自分が宿泊する部屋の前に止めるスタイル。 外に備え付けられているベンチに腰をかけて、夕日を眺めながら冷えたビールで乾杯! 最高のひと時です。


一般的に予約がなくても宿泊できますが、何かのイベント、例えば ”ロデオ”や”クラシックカーイベント”などがある場合など、この小さな街は関係者や観光客で満員となります。事前に予約して旅を進めることをお勧めします。 



セリグマンからはキングマンまで一旦インターステート40号線は大きく離れ、昔ながらの66号線のいくつかの小さな街 Yampai, Nelson, Peach Springs, Truxton, Crozier, Hackberry を抜けます。 セリグマンから10マイルほど走ると、地平線へ続く1本道が現れます。 その道の両サイドには(春と秋)野生のひまわりが、辺り一面を黄色く染めてくれます。 その奥のデザートには何やら、穴ぼこがたくさん、、、。 ありゃりゃ!? プレーリードッグが立ち上がり、こちらを見ています! 時々道路を横切るので、運転にご用心! 


- - - - - - -   バレンタイン    - - - - - - -

ネルソンには、モーテルが2件。 廃墟状態で営業はしていませんが、当時の繁栄が想像できます。  ハラパイ・インディアンの居留地 ”ピーチスプリングス” を抜けると ”トラックストン” 映画「イージーライダー」の舞台です。 ワイアット(ピーターフォンダ)のチョッパーがパンクして、牧場の納屋に運んで修理をするシーンがここバレンタインです。 



- - - - - - -   ハックベリー    - - - - - - -

そして、その昔大陸横断バスグレイハウンドの停留所でもあった ”ハックベリー” に到着。  66号線上にはポツリとトタン屋根の雑貨屋さんがあるのみ。 


1875年、ハックベリーは銀鉱山で栄えた町です。 1926年に66号線がこの街に到達すると、モーテル、レストラン、ガソリンスタンドなど様々な商業で賑わいましたが、1984年40号線の開通によりゴーストタウンへと衰退していきました。 道を挟んだ遠くに1917年に建てられた小学校が歴史的建築物として残されています。  




- - - - - - -   キングマン    - - - - - - -


次の町は ”キングマン” です。 その昔蒸気機関車の給水塔として使われていた大きなタンクが、キングマン駅の横に立っています。 66号線の写真集などで毎度掲載されているので、雑誌などで見たことがある人も多いのではないでしょうか。



 キングマンでは毎年5月初旬の週末に ”FUN RUN” というイベントが開催され、沢山のクラシックカー集まります。 そして、オートマン峠やセリグマンの66号線をドライブしている姿を見ると、タイムスリップしたようです。 


キングマンをぬけると、乾いたデザートに続く1本道、、、。 このへんはあまり雨は降らないのですが”フラッシュ”というスコールが時々起こります。 日本で言う”ゲリラ豪雨”というやつですね。 そのため、地盤の低いエリアは、路肩に2フィート、6フィート、8フィート の表示がある大きな物差し(スケール)が立てられています。 


8フィートの濁流は、いまだ見たことはありませんが、過去に遭遇したのは3ft(91センチ)まで水位が上がり、水が引くまでしばらくの間待っていたことがあります。 この辺りは、特に物陰となる物もなく、突然のストームに見舞われたら、雷がバシバシとあちこちに、、、今にも頭に落ちてきそうな勢いです! そんな時は、最寄りの大きな建物の屋根の下などへ退避しましょうね。 


- - - - - - -   クールスプリングス    - - - - - - -

アップダウンと大きくうねる66号線を進むと、右手に 小さなガソリンスタンド(現在はお土産屋さん)が1件。”クール スプリングス”に到着です。 少し前まで見た目怖そうな(実はいい人)、大男 ”ジョージ”がオーナーでしたが、数年前、突然にお店を売り払って、フィリピンへ引っ越してしまいました。 ジョージはいずこ~。 



このステーションは、マイナー映画「ユニバーサルソルジャー」にも登場します。ダイナマイトで木っ端微塵、、、、。 その後、再建したそうです。 町の名前 ”クール スプリングス” とはなんとも涼しげな名称ですが、夏は48度にもなる灼熱のデザートです、、。



その昔、夏の66号線を旅した人々は、この峠を越えるときにオーバーヒートして、ラジエーターから蒸気が吹き出したことでしょう、、、。 



ここからは、本当に険しい山越えの道路です。 センターラインをはみ出てくる対向車とガードレールのない断崖道路にハラハラです! 険しい峠に66号線を敷くのは大変な苦労があったのでしょう。 別名:Bloody road(血まみれの道)と呼ばれていましたことから想像できます。



- - - - - - -   オートマン    - - - - - - -

オートマンに到着です。 初めて訪問する方は「え?、ここは映画村?」と思う方もいるもしれません。 いいえ、1900年初頭から今まで、西部開拓時代そのままの町なのです。 そして、この周りの山々からは金がザックザック! 確か7年くらい前にも4億円の金魂が出たそうです😃! 



街の中心には1902年創業のオートマンホテルが立っています。 このホテルはハリウッドムービースター:クラークゲーブルのお気に入りで、キャロルロンバートとのハネムーンでも宿泊しています。また、時々訪れて坑夫相手にカードゲームでギャンブルをしていたとか、、。 


 
25年も前なりますが、ツアーのスケジュールを計画するにあたり、このホテルに宿泊したことがあります。 当時でも、この寂れて傾いたホテルに泊まる人はほとんどいません。 確か1泊$35でした。  もう、 1900年代の雰囲気満開! 小さなベッドに白いレース模様のベットカバー、、ドアもテーブルも椅子もベッドも床も、ギシギシ音を立てます、、。 買い置きしてあったウィスキーの小瓶をラッパ飲みしながら、窓の外を眺めてみました、、、 この2階の窓から売春婦達が坑夫相手に「お兄さ~ん! 遊んでいきなよ~」ってな具合で客引きでもしていた様子が思い浮かびました、、。   

実はこのホテル、アメリカでも5本の指に入る有名なお化け屋敷!!だったんです😱。 聞くところによると、酔い潰れた坑夫(”オアティ”)が、このホテルと隣の家の隙間で亡くなっていたそうで、今でも、その”オアティ”の亡霊がホテルや、ストリートを夜な夜な歩くとか、、、、。 事後に知りましたが、、びびりました、、、😭。 



現在は、博物館として保存されています。 ちなみに、このオートマンという町の名前のいわれは、その昔ここに住んでいた、オートマン家がインディアンに襲撃され、娘を残して皆殺し、、、 その娘(オリーブ)は、インディアンの奴隷として働かされたそうです。 そして彼女の顔(口周り)にはインディアンの刺青が施されていたそうです。 その後、白人に救出されたました、、、。

 

また、オートマンには金銀やそれら資材を運ぶために使われていたロバ(こちらではドンキー、またはブゥローズと呼びます)達が、現在は野生化して、自由気ままに歩き回っています。 人には慣れていますが あくまでも’野生’ですので、噛まれたり、蹴飛ばされたり、、、ご注意ください。

- - - - - - -   トポック    - - - - - - -

オートマンを後にします。 アリゾナ州とカリフォルニアの州境をコロラド川に架けられた白い橋があります。 ここは映画「イージーライダー」の舞台です。 映画初番で2台のチョッパーがコロラド川にかけられた橋を渡っていくシーンに合わせて ”Born to the Wild” の曲が流れます。 これは1969年の映画ですから、かれこれ50年たっていますが、今もあの映画の風景そのままです。 


映画の後半は、そのロケーションはルイジアナ州に移りますが、多くの撮影ポイントがカリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコにあります。 イージーライダーの軌跡を辿って、ツーリングするのも楽しいですね。 次回、チャンスがありましたら特集を組みたいと思います。




- - - - - - -   ニードルズ   - - - - - - -

カリフォルニアへ入ると、一旦66号線は途切れてインタステート40号線での移動となります。 検問所をくぐりカリフォルニアへ! この検問所、なにやらフルーツ(オレンジなど)の密輸入の監視から、不法移民なども監視しているそうです。 検問所では「どこから来た?」と聞かれるので決して”メキシコ”から来た!などとは言ってはなりません、、😅。 その前に通過した「’オートマン’から来ました~」と言いましょう。 


- - - - - - -   ゴッフス    - - - - - - -

検問所の先、しばらく走って40号線を降ります。そのまま真っ直ぐ進んでも良いのですが、66線の旧道”ゴッフスロード”を辿ります。このゴッフスロード、66号線はサンタフェ鉄道と並行しているので、長蛇貨物列車とコラボして走行が楽しめます。 手を振ると汽笛を鳴らして応えてくれます!!  



- - - - - - -   エセックス   - - - - - - -

40号線をクロスして エセックスという町を抜けて、ロイズのガススタンドへ行きたいのですが、ここ2~3年前から、ストーム(フラッシュ)により橋が落ちてしまい通行止めとなっています。 この ”エセックス” へ続く道はモハビデザートの一角で、地平線へ続く美しい1本道の66号線があります。 


ただ、お忘れなく! 6月後半から9月初旬のモハビデザートは48度~時々50度の灼熱です。 毎年、バイカー が熱中症で亡くなっています。 通過するのは その時期を避けてください。 また、ガソリンスタンドもアンボイにポツリと1件のみ、木陰も何もありません、、。ここでガス欠、、、そんなことを想像すると ぞっとします。


- - - - - - -   アンボイ   - - - - - - -

1900年初頭に建てられた学校や教会、モーテルなどが保存されています。  当時66号線の開通により繁栄を極めたアンボイ。 70年代この小さな町には700人あまりの住人がいましたが 40号線開通に伴い、急速に衰退。 現在は、郵便局員、ガソリンスタンドの従業員、そして塩採掘の兄弟2名、合計4名の住民だけとなりました。


 暑く乾いた、このデザート、アンボイのガススタンドは、66号線を旅する旅行者の休憩所として重宝されています。 


- - - - - - -   ニューベリースップリングス   - - - - - - -


アンボイを出ると、66号線の両側には、900年ほど前でしょうか、噴き出て固まった、真っ黒な溶岩がひろがります。小さな町”ルドロウ”を抜けて40号線を縫うように66号線を進みます。 日も傾いてきた頃、映画『バグダッドカフェ』(1987’) に到着。 日本でもヒットした映画と思います。 



ドイツから旅行に来たカップルが道端で大喧嘩。 旦那は奥さんを置いて車で走り去ってしまいます。 残された彼女(ジャスミン)は、大きなブリーフケースを引きずりながら、このデザートを トホトホ歩き出します。 暑く乾いたデザートに輝く奇妙な2つの光に導かれて、辿り着いたのは ”ブレンダ” が経営する寂れたモーテル。 


そうして、ストーリーは始まります。 66号線とは何ら関係がないお話ですが、どこか心温まる映画です。 一度見た方も(もう一度見よう~)、まだの方は是非ご覧ください。 

また、映画のテーマソング Jevetta Steele”コーリング ユー” はあのデザートの風景にマッチして、どこか切ない曲ですが、この道にぴったりの曲です。

コーリング ユー:

さあ、日が暮れる前にモーテルへ向かいます。

- - - - 『ルート66の旅』 15 /  15 へ続く


当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。 
 【Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited.】

コメント

このブログの人気の投稿

『ルート66の旅』 1 / 15

『ルート66の旅』 2 / 15

『ルート66の旅』 3 / 15